出版社の仕事って、とてもキツそうな印象を持っていませんか?
よく、出版社での仕事内容がブラックである記事や情報を見聞きする為、出版社で働きたいな~と思っている方は、少し不安に感じてしまいますよね?
当記事では、出版社として運営している自社(出版社BookTrip)の事例なども踏まえながら、出版社の仕事内容や働き方をご紹介致します。
もし出版業界に興味がある方は、先に下記記事をご覧いただく事で、当記事の内容がより理解できるかと思います。
出版業界はオワコンなど数年前から、話題になっていますが、実際の所どうなのでしょうか? 皆さん気になる部分かと思いますが、実際の所、誰も答えがわからなくてモヤモヤしている方も多いと思います。 […]
▶出版業界がなぜブラックと言われるのか
▶出版社の仕事に向いている人・向いていない人
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出版社員の仕事とは、どんな仕事なのか
まずは、出版社の社員として働いている仕事内容が、どういった内容であるのかをご紹介致します。
出版社の仕事は、大きく分けて雑誌・書籍・マンガとありますが、その中でも今回は「書籍」の仕事内容について、ご紹介させて頂きます。
書籍を作るにあたり、どのような仕事内容で進めていくのかは、下記3つのカテゴリーに分ける事ができます。
ご欄頂けるとわかる通り、「企画立案」により企画を整え、企画がまとまれば著者に執筆を依頼し、執筆された原稿に対して「編集や校正」を行ない、原稿が完成すると、行間やたて/よこの文字数、空白などのレイアウト調整、最後に表紙作成を実施します。
もう少し細かな作業などもたくさんあるのですが、わかりやすく捉えるには、上記の流れであると理解してもらえれば問題ございません。
本の企画立案から出版までの流れ
上記で、本を出版するまでの流れを軽くご紹介しましたが、もう少し詳細にご紹介致します。
上記をご覧頂ければ、本が出来上がる工程がわかりやすいのではないでしょうか。
実際に記載している工程ごとに、専属の専門家が存在します。
となると、最低でも4~5人もの専門家によって、一つの出版物が出来上がっていることになります。
出版社の仕事の種類
先程、出版社員の仕事は大きく分けて、3つのカテゴリーに分類される事をお伝えしましたが、各カテゴリーがどのような仕事内容なのかを詳しくご紹介致します。
(ご紹介する内容は、一般的な出版社員としての業務に加え、BookTripでの仕事内容を加味した内容となっております。)
企画立案
1つ目は「企画立案」についてです。
企画立案とは、出版物を発刊する上で一番最初に取り掛かる仕事です。
白紙の状態から、社会に求められていそうな内容を企画考案し、出版実現に進めていく為の第一歩です。
類書との差別化、新規性、読者のメリットなどを考えながら取り組む必要がある為、やりがいは十分に感じる事ができる仕事です。
また、自身が全く知見のない分野の内容を企画立案する必要などもあり、仕事を通じて周辺知識を収集でき、いつのまにか専門家に近い知識量や質を得ている事も多く、中長期で見るととても有益な情報を得る事ができる仕事でもあります。
関連記事:本の出版企画書の考え方を徹底解説|企画に必須な5大要素とは?
編集・校正
2つ目は「編集・校正」についてです。
編集は、上がってくる原稿に対し、読者視点に立って足りない情報の補足や添削などを主に行います。
編集業務は奥が深く、担当者の色がとても出やすいので、著者との相性やコミュニケーションが非常に重要となります。
担当者の一方的な編集は、著者への不快感を与え、一人よがりになってしまう可能性も高い為、慎重に実施する必要があります。
校正は、誤字脱字の校正、表記揺れの統一、日本語的な誤り、助詞の使い方の誤りなどを主に実施します。
校正業務も原稿の全体イメージの把握をしっかり行った上で、必要箇所に適正な校正業務を行う必要があります。
どの業務も、読者視点に立って実施する事が重要視されます。
レイアウト・表紙
3つ目が「レイアウト・表紙」についてです。
レイアウトは、原稿にベタ打ちされた文字に対して、装飾や文字間隔を調整し、読者が見やすいようレイアウトを整えていく作業となります。
また書籍サイズによって、レイアウトデザインを調整する必要があり、デザイン業務が好きな方であれば、熱中できる仕事の一部かと思います。
実際にベタ打ちされた原稿をレイアウト化したのが、以下のレイアウトデザインとなります。
上記のレイアウトデザインは、内容がビジネス書であるのと著者の意向から、かなりシンプルにレイアウトされています。
表紙については、書籍の顔になるデザインとなる為、とても慎重になる業務ですが、その分やりがいも大きい仕事です。
- タイトルやサブタイトルをどのようなデザインで見せるのか
- アイキャッチの設定をイラストなのか、写真なのか、テキストで見せるのか
- どこにインパクトを持たせるのか
などなど、上記以外にももちろん、色んな細かな事を考慮しなければなりません。
実際に、弊社で出版している「組織の力をグイグイ育てるカイゼンのヒント」の書籍の表紙デザインで最終選考に選ばれたデザインを3つご紹介致します。
パターン①
パターン②
パターン③
一見、同じように見える表紙デザインでも、魅せ方によって全然違うデザインである事が、ご欄頂いてお分かりいただけたかと思います。
実際、どのデザインが採用されたのか気になる方は、下記よりご確認下さい。
>> 組織の力をグイグイ育てるカイゼンのヒント-コンサルノート(本多 貴治 著)
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出版社の仕事はなぜブラックと言われるのか
ここまで、出版社の仕事内容を、カテゴリーに分けてご紹介させて頂きましたが、なぜ出版業界はブラックであると言われるのか、その理由や要因など含めてご紹介致します。
1人に対する仕事量がキャパオーバー
まずブラック業界と言われている一番の要因なのが、1人辺りに対する仕事量の多さです。
例えば、企画立案をしながら、別の書籍の編集も担うといった複合的に抱える仕事量や、抱える案件数の多さが、1人で回せるには限界があるのにも関わらず、どんどん仕事を回されてしまうといった事が、まだまだ業界としてまかり通っています。
無理をさせられながらも頑張ってやり切ろうとした結果、体調を壊してしまい、精神的にも辛い状況になり、退職せざるを得ない人は年々増加傾向にあります。
長時間労働が当たり前
ブラック業界と言われる2つ目の要因が、上記に記載した莫大なタスク量から、長時間労働が当たり前である事です。
資本主義社会であり、株式会社である以上、組織として利益を追求するのは当然なのですが、だからといって長時間労働も当たり前である事は疑問符がつきます。
ITが活用できる時代になったからこそ、上手にITを活用し、少ない人数でも大きな仕事をこなす事が可能な時代になっています。
[ 長時間/高生産 ]ではなく、[ 短時間/高生産 ]を生み出せる仕組み作りを、組織全体として取り組み、個々で働く環境を再構築する必要があります。
上司や関係者からのプレッシャー
ブラック業界と言われる3つ目の要因としては、上司や関係者の方々からの高圧的なプレッシャーが挙げられます。
これは、出版業界だけではなく、他業界でももちろん起こりうる事なのですが、業界が古い体質であればあるほど、色濃く残っている印象でして、長年勤めている上司が、いくつかの裁量を任されており、権利をふりかざし、高圧的な態度で仕事を押し付ける事は少なくありません。
また、上司だけではなく、取引先の担当者からも、プレッシャーを感じさせる言動があったり、弱みにつけこんだ要望を押し付けられたりなど、個人で抱えるプレッシャーの度合いを超えることも多くあります。
上記のプレッシャーに打ち勝つ事で、個人的な評価は上がりますが、同じような事を、今後入ってくる新入社員に押し付けてしまう可能性が高くなり、そんな指導方法がループしてしまうと、将来的に組織として変わる事はありません。
出版社の仕事がきついと嘆くツイート
出版業界の実態は、下記ツイートにもしっかり現れています。
出版社バイト64日目。働き始めて3ヶ月過ぎた。たった3ヶ月の間にばんばん人が辞めた。バイトは個人の裁量が大きくて色々やらせてもらえるので楽しいけど、社員は長時間労働ときついノルマで心底大変そうなのだった。
— 手羽先 (@reise3monate) November 2, 2018
出版業界に入ってからずっと裁量労働制だけど、本当にきつい。好きな仕事だから続けられてるなといつも思う。
— guti (@foumiyama) February 27, 2018
ここまで、ブラック業界と言われる要因をご紹介させて頂きましたが、日本の企業文化として、そんなことは当たり前と思われている事が、そもそも時代に合っていなかったりするので、出版業界は、働き方や仕事のこなし方など、もっと頭を使って深く考えていくべき課題が山積みであるのが現状です。
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出版社で働くメリットとは
ブラック業界と言われている出版業界ですが、デメリットばかりではなく、もちろんメリットもあります。
出版社員として働く事で、みなさんの将来にどのようなメリットを受けれそうなのかを下記にご紹介致します。
自身が担当した書籍が社会へ拡散される
1つ目のメリットとして、自身が担当した書籍が世間のみなさんに読んでいただける対象となる事です。
著者といっしょに創り上げていく書籍が、世間の賛否対象となるのは、とても感慨深いものがあり、人生でそうそう経験できることではないので、一番のメリットであると感じます。
関わり方は、企画構成・編集・校正・レイアウト・表紙など、様々ありますが、著者と一番長く関わる事ができる企画 or 編集が、よりダイレクトにメリットを感じれる業務であるかと思います。(各出版社によって業務範囲の違いがある為、あくまで一例です。)
コンテンツに関する専門家と深い話ができ質の高いインプットを得れる
2つ目のメリットとして、本の内容に関する専門家(プロ)と関わる事が多くある為、自ずと質の高い情報をインプットでき、自身の人生に多いに役立つ事です。
これは、どの業務ポジションでも体感する事ができ、原稿内容を早い段階で知る事ができる為、読者の方々よりいくらか有利です。
また、読者は、その本を費用負担して購入しますが、出版社員は、給料をもらいながらも、無料でその情報に触れる事ができます。
著者の考えをまとめるサポートが「やりがい」に繋がる
3つ目のメリットは、著者のサポートをさせて頂く事で、著者自身が整理でき、有益な時間であったと感想を多く頂ける事です。
著者は、普段、メインの仕事で忙しい事が大半で、これまでの知見を体系的にまとめる事が難しい状況です。
そのような状況の中、出版に向けて様々な準備を行う事で、著者自身が過去を振り返りながら、内容を構築していく事になり、様々なコミュニケーションをとる事になります。
出版に向けての上記の過程が、著者にとっては有意義な時間であると感じて頂け、感謝のことばをもらえる事で、やりがいに繋がります。
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出版社の仕事で身に付くスキルとは
上記で出版社で働くメリットをお伝えしましたが、ここでは、各カテゴリー毎の仕事で身に付くスキルについてご紹介させて頂きます。
ここで紹介するスキルは、与えられた仕事を着実にこなす上に、相手が求める質を提供できる事で、初めて得れるスキルとなります。
ただ、仕事をやるだけで身に付くものでもないですし、意識しながら実行する事が、なによりも大切になります。
企画・編集の仕事で身に付くスキル
▶観察力
▶情報編集力
▶プレゼン力
▶コミュニケーションスキル
企画立案は、なにもない白紙の状態から、社会のニーズを先読みし、企画を整える仕事になる為、雑学や幅広いインプット情報に長けている必要があります。
ただ面白い内容を考えるのが企画立案ではなく、読者が本を読んだときにどのようなメリットがあるのか、著者が情報を発信する事で、どのようなメリットがあるのかなど、広範囲に意識し、目を向ける必要があります。
その為、コミュニケーションスキルや色んな情報をまとめる情報編集スキル・情報整理スキルが身に付き始めます。
デザイン(レイアウト・表紙)の仕事で身に付くスキル
デザインスキルは、当然付きますので割愛してご紹介致します。
▶情報把握スキル
▶傾聴力/質問力
▶美的センス
デザインを担当するレイアウト業務や表紙業務では、上記のスキルアップを図る事が可能です。
著者が出版物を通じて、
・どのような目的を果たしたいのか
・読者にどのように読んでもらいたいの
かなど、言語化しにくい要望を聞き出し、本質部分にデザイン的アプローチできるような質問力が必要となります。
また聞き出した内容を、デザインに落とし込む反映スキルも必要となり、著者が意図しないデザインは採択される事がないので、いかに著者の心理的な要望を汲み取り反映させるかがキーポイントとなります。
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出版社の仕事に向いている人・向いていない人
出版社の仕事内容や出版社の仕事をやる上でのメリット・デメリットなどご紹介させて頂きましたが、出版業界について、
「やっぱり辞めておこうかな」
「しんどそうだけど、チャレンジしてみたいな」
といった、ポジティブな心境やネガティブ心境など、十人十色感じられることはあるかと思います。
そこで、出版社の仕事に向いている人・向いていない人を独断での判断項目をご紹介できればと思います。
あくまで、独断ですので全てが当てはまるワケではない事をご了承下さい。
出版社の仕事に向いている人
思いつく範囲ですが、下記項目のどれか2~3個程度に該当していれば、出版社員として向いている可能性が高いかと思います。
- 読み物が好きな人
- 相手側の視点に立てる人
- 最先端の情報に敏感な人
- 社会人として最低限の素養が身についている人
- 多少のマルチタスクをこなせる人
- コミュニケーションをとる事が苦ではない人
上記の項目で該当する内容が完璧である必要はありません。
これならできそうかな~ぐらいの判断で大丈夫です。
性格的なものも重要ですが、仕事とプライベートをしっかり切り分けられる人は、上記のどれか2~3個には該当するのではないでしょうか。
出版社の仕事に向いていない人
つづいて、出版社の仕事に不向きな人のご紹介を致します。
これは1つでも当てはまると、出版社で働いていると苦痛になってくるので、おススメできません。
- 仕事に使命感を持てない人
- コミュニケーションを苦に感じる人
- 変化する事が億劫な人
冒頭でご紹介した通り、出版物は色々な人が介して、出版に至ります。
コミュニケーションが苦手で、仕事でのやりとりがスムーズにいかないのであれば、どんどん苦痛になります。
また、仕事に使命感や責任感を感じにくい方もおススメできません。
やらされ仕事ではなく、自発的仕事を実施する事が多くなる為、仕事を待っている状態では、存在しない人と同義であると評価を受ける可能性があります。
上記に該当してしまう方は、出版社での仕事ではなく、別で自分を活かせそうな職種を探してみましょう。
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出版社BookTripはここが違う!
弊社BookTripでは、これまでご紹介してきました出版業界のデメリット部分を極力排除した形で、組織づくりを構築しております。
そもそも、これまでの商業出版や自費出版などの出版方法と違っており、ビジネスモデルが違います。
どのように違うのかは下記記事をご覧下さい。
関連記事:実際どうなの?BookTrip(ブックトリップ)の評判を自社で徹底解析
ですので、比較にはならない部分もあるのですが、どのように他社と違うのか参考までにご覧ください。
新しい出版方法で他社と差別化
まずは、出版方法がこれまでの方法と違っており、紙の書籍を1冊単位で出版する事が可能となっており、わざわざ先に数千冊の在庫を抱える必要がありません。
どのような仕組みで出版しているのかは、下記記事をご覧いただければ詳細に理解頂けます。
関連記事:プリント・オン・デマンド(POD)とは?7つの長所と4つの短所を大公開
就業時間は定時退社が基本
BookTripでは、基本9時30~18時30までの就業時間となっております。
残業申請などの要望がない限りは、18時30分過ぎには皆さん退社しています。
大半のメンバーは、残業は月に一度もないか、あっても1~2時間程度です。
小さな出版社である為、他出版社との差別化をどんどん徹底していき、BookTripならではの仕組みを構築していきます。
主婦や副業している方には嬉しい短時間勤務制度
弊社では、主婦や副業をされている方も積極的にメンバーとして採用しており、主力メンバーである方が多いです。
9時30~15時30までの短時間勤務で働かれている方もおられ、主婦業や副業との時間を両立できるよう、極力弊社でもバックアップできる体制を整えております。
現代は、女性の働き方が見直される風潮が徐々に強くなりつつあります。
これまで男社会である事が、資本主義で生き残る唯一の方法と考えられてきましたが、時代は変化しています。
国の施策として、名ばかりの働き方改革とならぬよう、小さな会社ですが、微力ながら貢献したい所存です。
営業活動は全て社内で完結
弊社では、企画提案する業種があり、本来であれば、営業先へ訪問し打合せなどを行う必要があります。
しかし、IT活用を推進している為、様々なツールを駆使して、全て社内で完結できるよう環境を整えております。
なので、俗に言う営業担当が、打合せなどで出先に訪問するのではなく、社内にずっと居てるという環境です。
土日祝は休業日
最近では、土日が休みである企業も増えてはきておりますが、あくまで大手企業がメインとなっており、中小企業で働かれている方は、隔週の土曜日出勤をされている方も数多くいらっしゃるのではないでしょうか?
弊社は、基本暦通りの休日となっておりますので、土日祝は休業日となります。
出版業界では、中々珍しいかと思います。
BookTripの外部パートナーとして協力してくれる方を募集!
先程ご紹介した通り、弊社では、現代の働き方に則した形で組織づくりを構築中です。
その為、BookTripの外部パートナーとして関わってくれる方を、下記の業種で募集しております。
企画提案の外部パートナー概要
仕事内容:著者候補者への企画提案
出勤時間:空いている時間
報酬:1時間辺り1,000円以上
インセンティブ:弊社インセンティブ規則に応じてあり
編集・校正の外部パートナー概要
仕事内容:原稿に関する評価提案
出勤時間:空いている時間
報酬:1時間辺り1,000円以上
レイアウトデザインの外部パートナー概要
仕事内容:Adobe InDesignを使用したレイアウトデザイン業務
出勤時間:空いている時間
報酬:1時間辺り1,000円以上