このページに来られたという事は、かなりの小説好きかと思います。
小説が好きで好きでたまらなくて、のめり込める作品を探しているのではないでしょうか?
最初の1冊は無料で聞けるので、気になる本がオーディブル化されている場合はぜひ試してみて下さい。
超没入注意!時間を忘れてしまうほどのおすすめ人気小説
ここでは、小説好きの誰もが一度は読んでいるであろう作品をピックアップしご紹介致します。
ぜひ超没入を味わってください。
ぼくは明日、昨日の君とデートする
宝島社
「ぼくは明日、昨日の君とデートする 」
著者:七月 隆文
価格:737円(税込)※文庫本
※価格は公開時点での価格であり、変更されている可能性がございます。
最後の展開にびっくり!絶対泣きます。
《レビューコメント》
映画化もされた作品です。
最初はタイトルの意味がわかっていませんでしたが、読み終わると納得。
京都の大学生が電車であった女性に一目ぼれする話。僕が話しかけるとなぜか泣いてしまって。。。
京都の雰囲気とあいまって切なく儚げなイメージで物語が進んでいきます。
女性の発する言葉、行動になんだか謎に包まれたことが多く描かれています。どこか引っ掛かりながら読んでいましたが、最後の展開で驚きと切なさで号泣しました。自分だったら辛い。
辛いのがわかってはいるけれど2人のために好きでい続けることに泣けます。好きだけど、愛しているけどいつもすれ違っている2人の話。いや、すれ違ってしまう話。
時間がキーワードになっていて、友達や家族、恋人等今いる大切な人との限られた時間を大切にしないといけないなと考えさせられる作品でした。
1度目と2度目でまったく感じ方が変わってくるな~と思うので2回読むことをオススメします!
あの時のセリフの言葉の重みや感情がより伝わってくると思います。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~30代 | 恋愛・SF |
【ぼくは明日、昨日の君とデートする】
\ 31 日間無料トライアル登録 /
ジョゼと虎と魚たち
心を揉みほぐし整えてくれる物語たち
《レビューコメント》
全9作品からなる短編恋愛小説集。表題作は、妻夫木聡・池脇千鶴が出演した同名の映画の原作です。1985年発刊と実に35年前の作品ですが、アニメ映画の公開で最近また話題になっていますね。
車椅子を使って暮らすジョゼと、大学生の恒夫が織り成す小さな愛の物語です。以前、実写映画を観たことはありましたが、改めて原作を読んでみると印象がまた違って面白かったです。私が映画で一番好きなシーンは、恒夫が初めてジョゼの家でご飯を美味しそうに食べるところなのですが、原作には無かったです。小説、映画それぞれの表現方法や魅力があると感じました。
9篇それぞれが独立した物語になっているので、気になったタイトルのものから読むのも良いと思います。元恋人との再会や、妹の結婚など、自分が体験したことがなくとも共感できるような話が多く、読後は穏やかな気持ちになれました。
多くの作品のセリフが関西弁で書かれており、調べると著者は大阪出身とのこと。馴染みのない言い回しには、文中にニュアンスの説明があったので、東の育ちの私も難なく楽しめました。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~40代 | 恋愛 |
【ジョゼと虎と魚たち】
世界から猫が消えたなら
小学館
「世界から猫が消えたなら 」
著者:川村 元気
価格:682円(税込)※文庫本
※価格は公開時点での価格であり、変更されている可能性がございます。
あなたの世界から猫が消えたらどうしますか
《レビューコメント》
三十歳の僕。主人公はある日病院に行くと脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。家に帰ると自分とまったく同じ姿をした男(悪魔)が待っていた。「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」と言われた僕の残りの人生と一緒に暮らす猫の話。
絶望的な人生の中で僕が毎日一つずつ何を消していくのか予想しながら読むことができました。死に近づきながらも「次は何を消すんだろう」「良そうと外れた」等推測しながら読むことでわくわくして悲しい気持ちにならず読むことができました。
最後は泣いたけれど…
また、自分だったら何を消すのかなと考えるきっかけにもなりました。
僕と猫の関係だけでなく、家族との愛、母の魔法の言葉が強く心に響きました。
大切な物はなくなってから気づくって本当にそうだなぁとしみじみ感じる一冊でした。
映画化もされているので映像で見られる世界から猫が消えたならも見てみたいと思いました。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~30代 | ライトノベル |
【世界から猫が消えたなら】
博士の愛した数式
80分しか記憶が持たない博士
《レビューコメント》
第1回本屋大賞受賞作品した作品。さすが。すぐにもう一度読みたくなった。
「記憶が80分しか記憶が持たない数学博士と家政婦の私と息子の僕」の話と聞いて読んでみた。
数学が嫌いな人も好きな人も数字の美しさに気づける1冊です。
博士の紡ぐ言葉にはいつも数学。数字だけれど数字の中に文学的美しさも表現されていて読んでいて心が洗われます。
博士の息子に対する愛情も続きを読みたいと思わせてくれます。
ぶっきらぼうだけどそこには確かに息子への愛情があって、数学を通して親密になてちく2人の関係が良いです。
人との深い愛情について書かれていて家政婦の私と息子の中での博士の存在は変わっていくけれど博士の中で家政婦の私と息子は毎日初めまして。
そのジレンマがなんとも切なくも暖かい涙なしには見られない物語です。
「友愛数」「ルート」等数学的用語がたくさん出てきていましたがわからないこともあり。。。数学がわかるともっと楽しめるんだろうな~と思いました。
明日から数学勉強しようと思いますw
おすすめ年代 | ジャンル |
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20代~50代 | 純文学 |
【博士の愛した数式】
空飛ぶ広報室
自衛隊にそんな部署あったんだ
《レビューコメント》
有川先生の他の自衛隊作品を読んでからこの本にたどり着きました。
自衛隊ってなんだかかっこいい。国のために頑張っていて大変な仕事だと興味が出てきた時にこの本を見つけた、自衛隊にある広報室のお話です。
自衛隊って戦う、守るイメージがあったのでこのような部署があるんだとはじめは驚きました。
物語の主人公は事故でブルーインパルスのパイロットから広報室へ移動となった隊員です。
輝かしいパイロットから広報室に移動になった主人公。そこで働く中で仕事に対しての葛藤が描かれています。やりたいことができないなんて葛藤が自分にも合ったな~と読んでいて自分も隊員の気持ちに教官しながら読むことができました。
東日本大震災の影響を受けて刊行を延期をした本です。取材をして震災対応エピソードを入れた最終章が刊行されたので震災を体験した人にもよりリアルに伝わると思いました。
面白かったので調べてみると、実際に自衛隊の広報室から依頼されたお話であることがわかりました。そのバックストーリーも面白くリアルに近い物語になっていると思います。
おすすめ年代 | ジャンル |
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20代~40代 | 大衆文学 |
【空飛ぶ広報室】
コンビニ人間
生きづらさを抱える“はみ出し者”のための物語!
《レビューコメント》
主人公の恵子は、“人間らしさ”がわからず、周りの人間を真似することでどうにか生きてきた変わり者です。マニュアルが絶対とされるコンビニスタッフの仕事に安らぎを覚え、三十代になっても就職はせずにアルバイトを続けています。
そんな恵子の悩みの種は、「結婚もせずアルバイト生活をしていること」に対して周りがうるさく言ってくること。しかしある日彼女は、周りをごまかすために、ストーカー行為で無職になったニート男・白羽と“偽装同棲”を始め――。
第155回芥川賞受賞&数々のメディアで取り上げられた有名作品!“普通”って一体何なんだ、と改めて考えさせられる物語です。
主人公・恵子のぶっ飛び具合には、本人はいたって真剣であるからこそ、笑えるような悲しいような複雑な感情を持ってしまいます。彼女に共感できるか、気持ち悪いと拒絶反応を抱くかが、あなたが“はみ出し者”なのか“普通”なのかの分かれ目?!
多数派に対する違和感を持っている方、この世界は生きづらい場所だなあと一度でも思ったことがある方に、ぜひ手にとってほしいです。
おすすめ年代 | ジャンル |
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20代~50代 | 文芸・フィクション |
【コンビニ人間】
82年生まれ、キム・ジヨン
筑摩書房
「82年生まれ、キム・ジヨン」
著者:チョ・ナムジュ
価格:1,650円(税込)
※価格は公開時点での価格であり、変更されている可能性がございます。
女性が生きづらい社会を生々しく描く、韓国発のベストセラー小説
《レビューコメント》
主人公キム・ジヨンの人生を辿りながら、現代に蔓延る女性差別を浮かびあがらせ、社会に一石どころではないインパクトを投じる作品です。韓国の物語ですが、世界10数ヶ国で翻訳され、大きな共感と話題を呼んでいます。
性別が女性であるというだけで、なぜこんなにも生きづらいのか。女性であれば「そういえば自分もそうだった」と、今まで蓋をしてきた意識下に働きかけられたような感覚になる方も多いかもしれません。
フィクションでありながら限りなくノンフィクションに近い物語で、キム・ジヨンという人はこの世界に生きていると思います。読み進めるほど絶望していくという疲労度の高いストーリーですが、この作品が社会にもたらした影響を考えれば救いがあるというものです。
刊行から数年経つ今、日本でも女性差別があらためて大きな問題となっています。この本を読んで感想を話し合ったり、これからの生き方を考えたりという機会を、今こそ持つことができたらと思います。老若男女問わずおすすめの1冊です。
おすすめ年代 | ジャンル |
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20代~60代 | 文芸・フィクション |
【82年生まれ、キム・ジヨン】
【小説好きでも知らない!?】ひっそりとコアなファンが多い作品
ここからは、小説好きでも知っている人はほんの一部の作品をご紹介します。
夏物語
今世界で最も注目されている小説といえば
《レビューコメント》
大きなテーマは「生まれるとは、生きるとは何か?」-からだのこと・体外受精・精子バンク・産むこととパートナーの関係など、妊娠と出産、そして人生のいろいろが描かれています。
世界中から大きな反響を呼んでいる、今読みたい小説の一つです。
第1部は、2008発表の芥川賞受賞作「乳と卵」が再編集された文章です。主人公の夏子は30歳。地元大阪からやってきた姉と姪っ子との3人が織り成す、からだの話です。
第2部は、時代も主人公の年齢もちょうど8年先に進んだ、2016年〜2019年のことが描かれています。夏子がパートナー無しでの出産を希望し、悩みながら人生の選択をしていきます。
主人公と著者の年齢や職業、出身や生い立ちが似ていますし、物語の設定が実際の年代と同じなので、非常にリアルな感覚で読めるという点も特徴です。
現在世界数十カ国で翻訳が進んでいる本書。夏子の苦悩、そして現代に生きる私たちに投げかけられる問いは世界共通なのだなと感じます。
折に触れて読み返して、誰かと語り合いたくなる作品です
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~50代 | 文芸・フィクション |
【夏物語】
コンジュジ
現実と幻想が交錯する、新感覚の話題作
《レビューコメント》
2021年1月発売の新刊で、SNSで話題になっていたのが気になり読んでみました。すばる文学賞を受賞し、芥川賞候補作にもなった作品です。
著者のプロフィールを見ると、1990年生まれで本業は校正業、本作でデビューしたとのこと。「衝撃のデビュー」と呼ぶにふさわしい、凄まじい小説でした。
悲惨な家庭環境の中で暮らす主人公のせれなは、今は亡き伝説のロックスター・リアンを知り、心酔していきます。
あらすじだけ見ればよくあるストーリーのようですが、本作は初めて読む感覚の物語でした。夢か現実か分からなくなるような不思議な感覚になります。不快感と爽快感が交互にやってきて、途中で本を閉じることは難しく、混乱する頭で一気に読了しました。
家庭環境・親子関係にお困りの方やトラウマのある方には、要注意の本かも知れないと思います。なぜなら描写がリアルで、読んでいて非常に疲れるからです。体調の良いときに、時間に余裕を持って読むことをおすすめします。
しばらくは読み返したくないほどの衝撃でしたが、きっとまた読みたくなると思います。今後の作品もとても楽しみです
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~40代 | 文芸 |
【コンジュジ】
東京ロンダリング
始めはちょっと怖いけど、元気をもらえる小説
《レビューコメント》
主人公のりさ子は、訳あって離婚後、不動産のロンダリングという仕事に出会います。
ロンダリングとは洗浄するという意味。前の入居者が亡くなった部屋や、事件が起こった部屋など所謂「事故物件」に一定期間住むことが仕事です。
内容はホラーな感じではなく、静かな筆致で人と人との繋がりを描くあたたかい物語だと思います。
最初は住む場所に感情移入せず淡々と一人で暮らし、不動産屋と同業者とのみ交流のあった主人公りさ子が、新しい大家のすすめで定食屋の手伝いを始めたことをきっかけに変わっていく物語です。
嫌なことがあったときや、ちょっと疲れているときにぴったりくる本だと思います。それぞれの人に事情があって、それでも今日を生きて、東京という街が回っていく…どんな場所でも何があっても生きていけるような、何となく勇気と元気が湧いてくるような感じがします。
本書の5年後に続編「失踪.com 東京ロンダリング」も発行されていますので、併せて読むのもおすすめです。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~40代 | 文芸・フィクション |
【東京ロンダリング】
今日もひとり、ディズニーランドで
イースト・プレス
「今日もひとり、ディズニーランドで 」
著者:ワクサカソウヘイ
価格:594円(税込)※文庫本
※価格は公開時点での価格であり、変更されている可能性がございます。
フィクションではない筆者の実体験
《レビューコメント》
30代ニート(がいきなりディズニーランドに一人で行く話。筆者が実際に体験したノンフィクションの話のようです。
「男」」「一人」「ディズニーランド」というパワーワードに惹かれ読み始めましたが夢の国ディズニーの話だけれどキラキラな話ではなく…ディズニーの夢と現実の両方が楽しめる一冊でした。
そんな人だからディズニーのこと知らないでしょと思うディズニー好きの私。
そんな浅はかな考えをしていたあの時の自分を殴りたい。
作中のところどころでディズニーにまつわるトリビアが面白いです。
この本を読むとディズニーは良い、ディズニーのトリビアを確認したいと行きたくなりました。さすが夢の国です。
変わった人が書く文章なので独特な表現や言い回しがあって笑いもあります。読んでみないとわからない面白さです。けれど最後には父親との感動するお話もあり。ページ数、文字は少な目ですが内容に厚みがあり読み応えがありました。
読み終わったあとなんだかスッキリしました。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~30代 | ノンフィクション |
【今日もひとり、ディズニーランドで 】
\ kindleなら30日間無料で読み放題 /
凍りのくじら
ドラえもんの道具が私を支えてくれる希望
《レビューコメント》
「辻村深月の小説はこの順番に読もう」で1番最初に読むべき作品。原点。
作者のドラえもん好きが前面に出た作品で、各章のタイトルが全部ドラえもんの秘密道具の名前になっているのが面白いですよね。
ドラえもん好きには惹かれる要素がたくさんつまっていると思います。
その一方で、「ドラえもん」というキーワードにコミカルで楽しい話なのかなと思っていましたがそんなことはありませんでした…(良い意味で)
ドラえもんの作者、藤子・F・不二雄先生を愛してやまない父が突然の失踪。娘の理帆子は高校一年生。
理帆子の世界を達観した、少し冷めた目で周りを見ているキャラクター性が中二病心に刺さります。
ある日図書館で知らない男の子が声をかけてくる。それがいったい誰なのか疑問に思いながらも進んで行くストーリーです。数々の繊細な表現が男の子に繋がる伏線なのかなと読み込んでしまいました。
男の子と理帆子のやりとりで穏やかな時が進んでいくことになれ、男の子の正体がわかった瞬間が衝撃でした。
「スコシ・フシギ」な物語です。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~30代 | ミステリー・ファンタジー |
【凍りのくじら 】
\ ドラえもん好きなら著者の意図が汲み取れるかも? /
家族八景
もしもテレパシーの能力があったなら
《レビューコメント》
直木賞候補作に選ばれ、3度ドラマ化された名作です。初版は昭和50年ですが今読んでも新鮮な感覚で楽しめます。
生まれつきテレパシー能力のある主人公・七瀬は、その能力から人間関係の悩みが尽きません。短期間で転々と職場を移せる、一般家庭のお手伝いさんを生業としています。
8つの家庭を渡り歩くため、タイトルは家族八景。テレパスゆえの苦労をしながら、時には危険を回避したり、実験をしたりして、各家庭にも彼女自身にも変化が起きていきます。8章からなる本で、初めから読むのが一番分かりやすいですが、どこから読み始めても大丈夫だと思います。
七瀬の脳を通して炙り出される住人たちのあらゆる思考が入り混じり、読みながら不快感の方が強くあるものの、怖いもの見たさでついページをめくってしまいます。一番印象に残った話は「青春讃歌」でした。どの話もそうですが、特にラストが衝撃的です。
比較的身近なテーマですし、各章は短めで読みやすいと思います。「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」と続いていくシリーズ3部作になっていますので、そちらも併せておすすめです。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~40代 | フィクション |
【家族八景 】
\ 1975年に発刊された圧倒的ロングセラー作品 /
【ミステリー/ホラージャンル】おすすめ小説!
私を知らないで
ちょっと変わった雰囲気の女の子っていい
《レビューコメント》
新しい中学校に転校してきた僕の話。
クラスには「キヨコ」と呼ばれ嫌われている女の子がいたところから物語が始まります。
その子の本当の名前はキヨコじゃないいことに疑問。さらになぜクラスから嫌われているかの疑問。
読み進めながら疑問について自問自答を繰り返しながら読みました。
自分は儚げな、幸薄そうな女の子に惹かれるのだと思いました。(女性ではなく女の子)
キヨコの行動や言葉の一つひとつが消えてしまいそう、儚げな印象でそれが心に染みました。そんな少女を気にかけたくなる僕の気持ちに感情移入をして読んでしまいます。中学生で起こりがちな無視やいじめが過激で心が辛くなったりもしました。途中キヨコの驚くべき事実もわかってヒヤヒヤもしましたが最後では「良かった」となる青春ストーリーです。
キヨコの置かれた境遇をしると、自分が恵まれているなと感じさせてくれるストーリでもありました。自分の置かれている状況を大切にしていかなければならないと考えさせられる作品でした。
ミステリー要素も難しくなく素直なので最後まで読みやすかったです。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~30代 | 青春・ミステリー |
【私を知らないで】
ピエタとトランジ<完全版>
一気読み!痛快な大人の冒険推理小説
《レビューコメント》
ピエタとトランジという女の子2人組が、身の回りで起こる奇怪な事件を次々と解決しながら歳を重ねていく物語です。
著者は芥川賞作家の藤野可織さん。静かで少しこわいストーリーが多い印象だった藤野可織さんですが、「ピエタとトランジ」はそのイメージが覆った作品でした。
こちらの<完全版>は、2013年発売の「おはなしして子ちゃん」に収録された短編「ピエタとトランジ」が元になっています。短編では、高校生時代のピエタのトランジの出会いから描かれています。
私は元になった短編を先に読んでいましたが、<完全版>から読み始めても遜色なく楽しめると思います。
トランジみたいな親友がいたら(大変だけど)楽しいだろうな!と思わせる2人の関係や、華麗な推理と冒険の旅にワクワクします。ページをめくる手が止まらなくなるような小説です。
10代〜幅広い年齢の方が楽しめる作品だと思います。「何か面白い小説知ってる?」と聞かれたら、今真っ先におすすめしたい1冊です。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~50代 | ミステリー・サスペンス |
【ピエタとトランジ<完全版>】
【恋愛ジャンル】おすすめ小説!
スロウハイツの神様(上・下)
伏線がすごい!
《レビューコメント》
手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫等有名な漫画家実際居住していた「トキワ荘」がモデルなっているお話であることを知り読み始めました。
上下巻あるボリューミーな作品で、スロウハイツに暮らす人々はみんなアーティストです。
そんなアーティスト達が織りなすドラマ。
上巻で伏線をたくさん貼りめぐらせ、後半で解明され、衝撃の連続でした。
点と点が繋がって線になっていく快感がこの本を読み始めて良かった!と思えました。
前半スローペースでしたが後半は一気に読み進めてしまいました。
純愛な面もありますが、登場人物のほとんどが社会人であることもあり、最後は大人の恋愛であると思います。学生の時に読んだときはなんで!?と思っていましたが、大人になって読むと大人の事情ってやつが理解できました。
物語を動かす天才である漫画家コーキを努力の天才環がそばでさりげなく支えている姿に感銘と少しの切なさを覚えました。
仕事に対する熱意や誰かを思う気持ち。環のいつも全力で向かっていく姿勢を見習いたいなと思いました。
800ページ程ありますがページ数を感じさせない程盛り上がり、スピード感があり読み応えばっちりです!
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~30代 | ミステリー・恋愛 |
【スロウハイツの神様】
\ コミック版も読みやすい! /
【海外小説ジャンル】おすすめ
英国一家日本を食べる(上下)
亜紀書房
「英国一家日本を食べる」
著者:マイケル・ブース
価格:880円(税込)※文庫
※価格は公開時点での価格であり、変更されている可能性がございます。
外国人から見る日本食が面白い
《レビューコメント》
NHKでアニメされた作品です。
イギリス出身のフードライターとその家族が日本で日本食を食べるノンフィクションのお話です。
筆者とその妻、2人の息子は100日間で日本のさまざまな店で食事をしました。
中には、SMAP×SMAPで有名なビストロSMAPで食べたお話もあり、ジャニーズファンにぜひ読んでほしい作品だと思いました。
イギリス人から見る日本食の感想は私達の当たり前を覆すものでした。新たな知見に広がりました。
2人の息子もとてもかわいいです。子どもだからこそ素直な感想がきけほっこりしました。
筆者もフードライターだからこそ食へのこだわりはあって、美味しい時はそう表現する。美味しくない時にも正直に表現してくれるから好感が持てました。
外国人独特な言い回しや表現も読んでて飽きさせない構成になっていると思います。
きっと日本人より日本食を知っていて驚きました。
やっぱり外国の人に日本食を褒めてもらうのは嬉しいですね。読んでいてより日本が好きになる作品でもあると思います。
おすすめ年代 | ジャンル |
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20代~50代 | ミステリー・恋愛 |
【英国一家日本を食べる】
\ アニメはカートゥン調なので、好きならぜひ見て! /
【純文学ジャンル】おすすめ小説
死にがいを求めて生きているの
中央公論新社
「死にがいを求めて生きているの」
著者:朝井リョウ
価格:1,760円(税込)
※価格は公開時点での価格であり、変更されている可能性がございます。
生きがいを探す人の心に突き刺さる、長編小説
《レビューコメント》
「山族vs海族の対立」を縦軸に、若者達の人生における苦悩や関係性の変化を鮮やかに描く物語。朝井リョウ氏の他に、伊坂幸太郎氏など8組の作家が参加する「螺旋プロジェクト」の1作品です。
朝井さんの代表作「桐島、部活やめるってよ」に似て、複数人の登場人物それぞれの視点で章立てされているところも特徴です。
怖いほどリアルと言いますか、非常に印象的な場面があり、とんでもない熱量を感じます。私は完全に心をえぐられ、しばらくの間影響を受けていました。
生き方に迷う方にも、やりがいを持って活動的に生きている方にも、響くものがきっとあると思います。
473ページの超大作ですが、気付かないうちにどんどんページが進んでいきます。読後は爽やかとは言い難いものの、不思議ともう一度読みたくなる小説です。
「螺旋プロジェクト」の他作品は未読ですが、今後追って読んでみたいと思っています。この「死にがいを求めて生きているの」も違った印象になり、楽しみ方の幅が広がりそうです。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~30代 | 文学 |
【死にがいを求めて生きているの】
果てしのない世界め
ジェンダーと家族に葛藤する「ぼく」の自伝的小説
《レビューコメント》
子どもの頃から“女の子が好きなもの”が好きでおかまと罵られてきた主人公「ぼく」が、世界や家族と向き合っていく物語です。「ぼく」は祖父の死をきっかけにして初めて実家を出ると、美大の友達や、好きだった彼、アルバイト先のオーナーとの関わりを通して自分自身を取り戻していきます。
切なくてかなしいけれど、いつも優しくてどこか懐かしい感じのする、著者の心に入り込んだような本です。日記のようでもあり、詩のようでもあります。「ぼく」を取り巻く人たちが素敵で、私は特に「果林」とのお話が好きです。
一筋縄ではいかない人生だけど、自分も家族も変わっていく、という希望の光を見せてくれているように思います。本書の前後に刊行されている他作品も併せて読むと、「ぼく」もとい著者自身の人生における再生の物語に並走することが出来ます。
生きづらさを抱える方におすすめです。10〜20代は特に共感度が高いのではと思います。読みやすい本ですので、気軽にのんびりと楽しみたいです。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~40代 | 文学 |
【果てしのない世界め】
\ 現代だからこそ、多くの人の感情を強く揺さぶる /
繕い屋の娘カヤ
ジャパニーズファンタジーの新境地、イラストも装丁も素敵
《レビューコメント》
舞台は日本、時代は明治の頃でしょうか。10歳の少女カヤは、紛争で家族を亡くして一人暮らしをしながら、こわれたものを直す「繕い屋」という仕事をしています。ある日、神社を訪れたときに不思議なことが起こり、狛犬との冒険が始まります。
伝統と創造の世界がミックスされた日本らしさほとばしるファンタジーで、ジャンルとしては児童小説ですが、大人も楽しめる素敵な作品です。文も絵も、曄田依子さんによるもの。文字はやや大きめで、ルビがふってあり、小学校高学年から読めると思います。
随所に散りばめられたカラーイラストが本の世界観とマッチして、ワクワク感が高まります。表紙の質感や、本を開いた時にページが180度開く仕様など、装丁にもとてもこだわりを感じます。小説であると同時に、一つのアート作品という趣です。
著者はアーティストで、さまざまなメディアで国内外問わず活動している方だそうです。著作は今のところ本作のみですが、新しいお話もぜひ読んでみたいと願っています。
おすすめ年代 | ジャンル |
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10代~30代 | 文学 |
【繕い屋の娘カヤ】
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