有能な右腕の存在が
会社の命運を左右します

本書の読みどころ

本著では、50名以下の企業規模にある、経営者の右腕になる人材の育成方法についてご紹介しております。

▶ 会社に右腕となる人材がいない
▶ 自分と同じ視点で会社の事を考えられる人材がいない
▶ 右腕を育成しようと試みたが、失敗してしまった

成功し続ける企業には“必ず”有能な右腕/相棒/ナンバー2などが存在します。

かなり詳細なノウハウまで公開していますので、右腕となる存在の見つけ方や育て方について、学んでおきたい方は、本著から始められる事をおススメ致します。

著者紹介

小さな会社の「社長の右腕」の育て方
~会社継続に繋がる未来設計~

荒井 幸之助(アライ コウノスケ)

新潟県出身。東日本旅客鉄道株式会社に入社し、事業創造本部にて駅ビル開発プロジェクト、ホテル事業などに従事。その後独立行政法人都市再生機構では、駅前再開発や地方都市の活性化などに携わる。
株式会社ハッピーコンビを設立後は経営コンサルタントとして、主に上場企業の経営幹部の育成研修や、中小企業の次世代経営者の育成、経営者の右腕育成に携わり多くの実績を持つ。また、国や都道府県の政策に合わせて全国各地で事業計画や経営改善計画の作成に関する研修や現場指導、講演にあたっている。趣味はガーデニングと料理。

荒井 真澄(アライ マスミ)

東京都出身。株式会社JTBに入社し、旅行アドバイザーとして国内・海外旅行など幅広く担当。その後、経理・総務・人事・給与計算等を経験し、会社経営の事務を一通り学ぶ。
中小企業の経営支援を行うため、夫とともに株式会社ハッピーコンビを設立し、より労務分野の支援に特化するため荒井社会保険労務士事務所を開業する。社会保険手続きを中心に就業規則の診断・作成、助成金申請支援など幅広い実務に対応している。現在は中小企業への助成金の知名度を高めるための社団法人の代表理事も勤め、その周知活動を行っている。趣味はフルート演奏。

はじめに

〝社長の右腕〟が会社の命運を左右する

この本を手に取られた、経営者であるあなたにお尋ねします。
あなたには〝右腕〟と呼べる、会社のナンバー2がいますか?
そして、有能な右腕が会社にどれほど多様な恩恵をもたらし、また右腕を持たないことがどれほど多様なリスクをもたらすか、あなたは本当に知っているでしょうか――?

「会社に右腕となる人間がいなくてね、いつまでも孤軍奮闘だよ」
「自分と同じ視点で会社のことを考えられる人間がいないんだ」
「しっかり鍛えようと教育してきたが、何が悪かったのか失敗してしまった」
「右腕が務まる人材を育てたいけれど、一体どうしたらいいものか」

私たちがご支援している会社の経営者から、そんなご相談をいただく機会が近年とくに増えています。経営者の方々が真剣に、ときに切羽つまった思いで右腕を求める事情や背景は、会社によって実にさまざまです。

多店舗展開や事業拡大を計画している。
経営者が忙し過ぎて手が回りきらず困っている。
次世代に事業承継をする時期が迫っている。

会社の規模・業種にかかわらず、そして会社がライフサイクルのどの段階にあるかにかかわらず〝有能な右腕〟の存在が会社の命運を左右します。右腕の育成は、会社の存続・発展に欠かせない鍵であり、経営者が最優先で取り組むべき課題のひとつと言えるのです。

会社を存続させるための〝基本の一手〟

実際に、右腕がいないため会社存続の危機にある会社は少なくありません。

・会社を担う覚悟と責任感
・経営的視点からの判断力や実行力
・現場を熟知した上で評価、指導する力
・ビジネス環境の変化に目を向け、将来を見すえて対応策を講じる力
そうした能力を持つ幹部がいないまま、すべてを経営者が担っている会社が非常に多いのです。

経営のノウハウも、顧客情報も、労務管理も、すべて経営者ひとりの頭の中にある。従業員は、自分が担当している業務のことしか把握しておらず、会社が成功しようが危機に陥ろうが、どこか他人事。
そのような状況で、もし経営者が倒れたら……?
あっという間に廃業の危機が、現実のものとして迫ってきます。「明日からでも、自分の代わりを務められる人間」を育成することは、どの会社にとっても急務ではないでしょうか。

社長の能力を拡張し、会社の成長を実現する

また有能な右腕は、会社の成長のためにも不可欠です。
日本が誇るホンダ、トヨタをはじめ、世界を席巻するまでに発展したグーグル(Google)、アップル(apple)など大企業のケースが有名ですが、中小企業にとっては、右腕の存在がより重要なポイントになります。
というのも、ひとつには経営者ひとりで物理的に抱えられる仕事のボリュームが限られているためです。単純に事業や会社の規模を大きくしたければ、自分と同じように考え、動ける人材が必要です。

さらに、中小企業の場合は抜き差しならない事情もあります。
現在、日本の中小企業はビジネス環境が目まぐるしく変化する、熾烈な時代を迎えています。

・少子高齢化による働き手不足、市場の縮小
・ITの進展による、新サービスや新商品、新たなビジネスモデルの登場
・原材料の調達や人材の採用、あるいは販売先を海外に求めるグローバル化の波
・政府によるキャッシュレス化、働き方改革の推進

こうした中、環境の変化にうまく対応できるか否かが会社の行方、つまり飛躍するか衰退するかを決定します。ある会社が新たな一手を投じて波に乗る中、「現状維持」を選んだ会社は波にのまれてしまう――。中小企業は今、そんな厳しい現実の中におかれています。
そのため現状維持で精一杯の能力、マンパワーしか持たない状況は、会社にとって大きなリスクとなるのです。

Close