はじめに
ーヨーガは、こころの働きを止めることー
「どういうこと?」「何の話?」
はじめは全然理解できませんでした。
ただただ体を動かして、気持ちいいなぁって思っているだけでは、わかりませんでした。
ヨガのポーズをしてる自分に惚れてるうちは、わかりませんでした。
ヨガとストレッチは、違う。
ヨガと汗をかくエクササイズとは、違う。
ヨガと筋トレも、違う。
もちろん、要素として似ているところはもちろんあります。でも、ヨガはただ体を動かすだけじゃないんです。体に効果が現れるだけじゃないんです。
軽い運動で済ませてしまうにはもったいないほど、たくさんの学びがあり、自分を大きくやわらかく成長させてくれるものなのです。
体を動かすところから始まって、気持ちがよくて、体がリラックスする。
すると、だんだん気持ちが落ち着いてきて、心もリラックスする。
くり返すうちに、このリラックスが心地よさに変わり、呼吸が深く細くゆっくりになって、目を閉じる時間が長くなって、頭の中が空っぽになっていく感覚。目を開けた時には、なんだかすっきりしていて、あれ? 何悩んでたんだっけな? なんでイライラしてたんだろう? どこか痛かったんだっけ? となっているのです。
こころが働かなければ、悩みも苦しみも痛みもない。
でも、こころは常に動かされ、変化するもの。
そのこころに向き合って、外から自分を眺めてみる。
そのこころに なんで? どうして? と問いかける。
そこにヨガの思想や哲学のお話を合わせると、なんだ、そっか。そうだよね。そうそう。だいじょうぶ。って、少しずつこころが穏やかでやわらかくなり、ほぐれて、ありがたーい気分になるんです。今あることに感謝の気持ちがあふれてきて、からだが喜び、こころが喜び、からだもこころも軽くなるんです。からだだけでなく、こころや、考え方、生き方にも変化が現れてくるんです。
そして、ヨガでもいいけど、ヨーガの方がしっくりくる。
ヨーガは奥深い。実践と哲学を合わせて、経験していく道のりです。
サンスクリット語の発音のヨーガ(ヨゥガ)、この「ー」音の伸びの中に奥深さがたくさん詰まっている感じがするのです。
誰にでもできて、いつからでも始められる、何の準備も必要ない、こころの修行。
マットさえなくたっていいんです。からだがあればいい。呼吸していればいい。
私はヨーガが大好きです。
ヨーガに教わったことがたくさんあります。
ヨーガに出会えて本当によかったと思います。
「ヨーガって何?」と聞かれたら、今のところ私は「生きることすべてです」と答えます。
Life is yoga. Yoga is life.
日常の中にあり、自分を感じ、自分を知ること。
まだまだ私は未熟だし、知らないこともたくさんあるし、
すごいことは何もしていないけれど、
そんな私でも感じることができた、ヨーガの哲学を踏まえたすばらしさを、ヨーガに教わったたくさんの気づきを、身近にある幸せを、みんなに伝えられたらいいなぁと思い、今の私が思うことを書き留めておきたいと思います。