あなたのストレスの原因はもしかして「甘え」かも!?
甘えに気づいてストレスとサヨナラ

本書の読みどころ

「甘え」と「ストレス」
一見、関係性のない言葉なのですが、ストレスを多く抱える現代人の原因を考察すると見えてくるのが、甘えから来るストレスなのです。

本著では、夫婦、子ども、職場、社会/コミュニティーの場面毎の関係性に切り分けた上で事例を出し、会話調を織り交ぜながら「甘え」と「ストレス」について紹介致します。

本著を読み終える頃には、ストレスに対する耐性が付き、少しは生きやすい人生を送ることができるはずです。

著者紹介

甘えとストレス
- 相手への「甘え」に気づけば、ストレスは消える!-

土江 正司(つちえ しょうじ)

1960年、島根県松江市生まれ、同在住。
島根大学理学部化学科卒業、島根大学教育学部大学院修了。臨床心理士、国際フォーカシング・インスティチュート認定フォーカシングコーディネーター、インド政府公認ヨーガ教師、浄土宗僧侶。現在、心身教育研究所所長として心理カウンセリングとヨーガ指導、及びスクールカウンセラーとして県内の学校に赴いている。著書に『こころの天気を感じてごらん:子どもと親と先生に贈るフォーカシングと「甘え」の本」(コスモス・ライブラリー、2008年)がある。

はじめに

「甘え」は自分で気づきにくい感情です。
特に身内に対して、「やってくれて当たり前」、「こんな態度でいてくれて当たり前」と、なんとなく思い込んでいることが結構あるものです。

でも相手のあることですから、なかなかこちらの思うようにはいきません。イライラしてしまいますが、ストレートに「やってくれて当たり前でしょう!」とは言いにくいものです。なぜでしょうか。
相手に対して甘えていることに、自分でもちょっと気づいているからです。そのように、なんとなくでも自分で気づいている人は「甘え」について考えることができる人です。きっとこの本を手にとったあなたも、自分にちょっと甘えがあると気づいているはずです。
自分が甘えているなんてちっとも気づかず、「やって当たり前だろう!」、「なんだ、その態度は!」と怒鳴り散らしている人もいます。そんな人が身近にいたなら、すごいストレスですね。ましてやそんな人から、「甘えるなー!」と最後通告みたいに吠えられたりしたら、「いやいや、甘えているのはあなたでしょ!」と言い返したいところです。でも、ここは冷静にいかなければなりません。

甘えにまつわるストレスは様々あると思います。それらをひっくるめて、この本では「甘えストレス」と表現しました。自分の甘えに気づくことからイライラの解消が始まります。また身近にいる困った人たちの甘えに気づき、うまく対応することで、その人たちから被害をうけることが少なくなります。人間関係のストレスの本質は「甘えストレス」であると私は考えています。
でもなぜ「甘え」なんて感情を人は持つのでしょうか。これにはきっと深い意味があるはずです。この本は、単にストレスをなくすためのハウツー本ではありません。できれば皆さんと一緒に(という気持ちで)甘えの意味も考えながら、人の心というものを眺めてみたいと思います。

なお、この本に登場する事例は、全て架空のものであり、人名も全て仮名であることを予めお断りしておきます。

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